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放置できない「スモークハラスメント」の実態と改善策

そもそも「ハラスメント」って何?

近年では時の流れとともに「ハラスメント」というものに対して敏感な時代へ変化してきました。

ハラスメントは英語で「harassment」と書きます。

語源は古期フランス語の「harass」で「悩ませ、疲れ果てさせる」や「悩ませる」などの意味があり、それが変化して日本では「いじめ」や「嫌がらせ」と訳されるようになりました。

「セクハラ」や「パワハラ」などは社会人であればよく耳にする言葉かと思います。

ハラスメントに対して敏感になってきた世の中においては自身を守れることで「働きやすくなった」と感じる人がいる一方で、「こんなこともハラスメントになるのか・・。」と日常会話すらまともにできないといった声も多くあります。

そして驚くことに、職場内で起きやすいハラスメントの種類だけでも軽く30種類以上も存在します。

参考:一般財団法人 日本ハラスメント協会

これだけ多くのハラスメントが定義されていると、他者に対して無自覚にハラスメントを行ってしまっている可能性があります。

自分には自覚が無くても、発言や行動を受け取る側が「ハラスメントに当たる」と感じればそれはハラスメントになります。

そのことに気付かないでいると、「ハラスメントで訴えられる」という恐ろしい事態に陥るかもしれません。

そして、いくつもあるハラスメントの中で無視できないものの一つが「スモークハラスメント」です。

ここでは自分や周りの人の健康問題に大きく関わる「スモークハラスメント」について紹介します。

スモークハラスメントってどういうもの?

スモークハラスメントは「スモハラ」などと略されることがありますが、意味としては「喫煙者が非喫煙者に対してタバコの煙やニオイなどで不快な思いをさせてしまう行為」のことを指します。

ではどのような行為が具体的にスモークハラスメントに該当するのか見ていきましょう。

スモークハラスメントの事例

スモークハラスメントの事例としては以下のものが挙げられます。

  1. 打ち合わせや会議などで同室にいる上司や同僚の喫煙によって煙の害を受ける。
  2. 車での移動時に車内で喫煙されて煙の害を受ける。
  3. 休憩時に喫煙していた人が戻ってきた時のタバコのニオイが不快である。
  4. 飲み会の場での受動喫煙
  5. 上司からの喫煙の強要や嫌がらせなど

 

上記で挙げた5つの事例はスモークハラスメントとして認識されやすく、主に職場内で起こりやすいものです。

詳しく見ていきましょう。

1.同室にいる人の喫煙による受動喫煙

打ち合わせや会議室が禁煙でない場合は、喫煙時の煙によって受動喫煙の被害を受けることになります。

部屋が禁煙室でないことで一方的に「タバコを吸わないでください」と言いづらく、非喫煙者が我慢を強いられるパターンが多いでしょう。

国内における近年の禁煙活動によってオフィス内での禁煙化は進んできましたが、会社の方針や対応不足によって禁煙化が進んでいない事業場もあります

2020年の調査によると、屋外を含めた会社の敷地内を全面禁煙にしていない事業場において、受動喫煙を防止するための何らかの対策を進めている事業場の割合は54.1%という結果があります。

参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r02-46-50_kekka-gaiyo01.pdf

逆に考えれば半数ほどの事業場は受動喫煙対策に積極的ではないとも言えます。

しかし2020年4月に施行された健康増進法によって、事業者は受動喫煙対策を講じなければいけないという法的な責任がありますので適切な対応が求められているのが現状です。

2.狭い車内での受動喫煙

仕事中に社用車で移動するときなど、同乗者が喫煙する場合は煙を吸い込むことになります。

窓を開けさせてくれない場合は密室となって煙が充満してかなり苦しい状況となりますが、車内における受動喫煙も受動喫煙対策の対象になりますので放置はできません。

参考:業務車両内での喫煙時の配慮(5P(3)ウ)

3.喫煙者から生じる不快なタバコ臭

喫煙が終わってからでもしばらくの間は呼吸からタバコの有害物質と匂いが放出されます。非喫煙者であれば、喫煙を終えて戻ってきた人から発せられるタバコ臭を不快に感じる人は多いのではないでしょうか。

これもスモークハラスメントの対象となり得るので「それくらい我慢しろよ」と言うわけにはいかず、しっかりと対策を検討していく必要があります。

4.飲み会の席での受動喫煙

会社の忘年会や新年会などの宴会の席では受動喫煙の被害に合う可能性が高まります。

理由は、大人数で宴会を行う際の店選びにおいては居酒屋が選ばれる場合が多く、喫煙が可能である店舗が多いためです。

喫煙ルームの設置によって分煙されている店舗であれば良いですが、灰皿が常備されている店舗ではその場で喫煙が可能なので充満したタバコの煙によって受動喫煙の被害を受けます。

宴会の際の店選びでは、完全禁煙か分煙対策がとられている店舗を選択することが必要です。

5.上司による喫煙の強要や嫌がらせ等

普段からパワハラ気味の上司から喫煙を強要されるというケースは少なくありません。

また、飲みの席ではアルコールによって気分が高まることで無意識で喫煙を強要したり、タバコの煙を吹き掛けられたりといった嫌がらせを受ける場合もあります。

近年はコンプライアンス問題に関して厳しくなっていて、ハラスメントに関する従業員への教育や指導は会社にとって必要なものとなっています。

先ほど、事業者には受動喫煙を防止するための法的な責任があると言いましたが、従業員の立場だと受動喫煙の被害から身を守ることは立派な権利なので会社側に対応を求めることは悪い事ではありません。

会社側が対応をしない場合は、諦めずに積極的に働きかけることも必要です。

中にはその行動が原因で、会社側から嫌がらせをされたり不利益な待遇を受けたりすることで法的な対応を行うことに発展していく可能性があります。

従業員側の対応としては、まずは周りの従業員に相談したり地方自治体や厚生労働省の相談窓口などへ相談したりすることが予想されるでしょう。

職場内においてタバコのニオイや煙によって不快に感じることがあれば、それはスモークハラスメントの対象となる事案であると考えなければいけません。

逆スモークハラスメントにも注意が必要

「逆スモークハラスメント」というのは喫煙者に対して喫煙を制限するような言動や行為を行うことを指します。

タバコの煙やニオイが不快に感じるからと言って、喫煙禁止でない場所においては「喫煙するな」と言ってしまうとトラブルの原因となります。

逆スモークハラスメントは分煙ができていない職場において生じやすい事案ですが、納得できないような主張により一方的に禁煙を強制することはよくありません。

喫煙に関しては喫煙者と非喫煙者の双方が納得できるように社内でルールを決めて運用していく必要があります。

分煙対策を怠ることで生じるリスク

会社側には従業員の安全と健康に配慮する義務(安全配慮義務・職場環境配慮義務)があるので、社内に受動喫煙問題が発生している場合は対処する必要があります。

改正健康増進法では以下の項目について義務として従わなければいけません。

1.喫煙禁止場所では喫煙を禁止すること

2.適切な標識を掲示して、標識を汚したり壊したりしてはいけない

3.喫煙禁止の場所には喫煙するための設備を設置してはいけない

4.設置した喫煙室には20歳未満の者は立ち入れさせてはいけない

参考:厚生労働省 受動喫煙対策

社内において受動喫煙問題が発生していることを承知で放置していたり、従業員からの要望や指摘を無視したりしているとさまざまなリスクを負うことになります。

ではどのようなリスクがあるのでしょうか。

1.受動喫煙を嫌う従業員が退職するリスク

喫煙者の中には、タバコの煙を嫌う非喫煙者の気持ちが理解できない方もおられるかと思います。

非喫煙者の中にはタバコの煙やニオイに耐え難い苦痛に感じつつも、我慢をしながら毎日仕事をしている状態の方もおられるでしょう。

「環境を改善してほしい」と強く願っている一方で、自分の意見を表に出せない人であったり、「言ってもムダだ」と考えたりする人は「退社」を選択する可能性があります。

このように、優秀な社員が退職してしまうことで会社の損失に繋がるというわけです。

2.従業員から訴えられるリスク

受動喫煙を防止するための分煙対策を放置したことで、従業員から訴えられて健康被害による損害賠償を請求される可能性が出てきますので注意が必要です。

実際に受動喫煙の被害を受けている従業員が会社を相手に訴訟を起こした事例があります。

①平成28年5月 自動車教習所の運営会社にて従業員との訴訟で和解金100万円の支払い

②平成28年5月 積水ハウスにて従業員との訴訟で和解金350万円の支払い

情報元:スモハラの裁判事例

実際に上記のような事例がありますので、「うちの社員はそんなことしないだろう」と放置しないで、受動喫煙に関しては放置せず真摯に対応していきましょう。

 

では上記のようなリスクを負うことを防ぐために、思い切って社員の喫煙を完全に禁止させたくなるかもしれませんが、それは違法となる可能性があります。

会社の経営陣の中には「従業員は会社の意向に従うべきだ」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、「喫煙をする権利」が憲法13条によって他人の権利を害さない上で一定の制限の範囲内で認められています。

参考:最高裁昭和45年9月16日判決

しかし、会社側が従業員へ喫煙を禁止することができないのかというとそうではなく、不特定多数の人が出入りする屋内では合法的に喫煙を禁止することができます。

 

2020年4月に施行された改正健康増進法によって、原則屋内は禁煙となりました。

喫煙する場合は屋外に移動するか、屋内であれば基準を満たした専用の喫煙室の中でしか喫煙はできないことになっています。

なので、不特定多数の人が出入りする社内のオフィスや会議室、自分のデスクなどでの喫煙は原則として禁止することが可能です。

※就業時間中でも休憩時間中でも同じ。

逆に言うと、屋内において喫煙室以外の場所での喫煙を許可することは受動喫煙のリスクとなってしまうので良くありません。

休憩時間内でも禁煙を求める企業が増加

最近の国内における禁煙活動によって、就業時間だけでなくお昼休みの休憩時間も禁煙を求める会社が増えている傾向にあります。

受動喫煙を防止するためであればオフィス内を禁煙にするのは問題ありません。

しかし専用の喫煙室があるにもかかわらず喫煙室の使用を禁止してしまうのは社員の労働意欲の低下に繋がったり、「休憩時間は自由に使える」という労働基準法に違反すると判断されたりといった可能性があります。

参考:完全に自由であること

休憩時間中は他人に迷惑にならない範囲で自由に過ごすことができますので、喫煙室を利用した喫煙を禁止することは慎重に検討する必要が出てきます。

しっかりと喫煙者の意見を取り入れて決めなければいけませんが、喫煙者の了解を得ることは難しいのではないでしょうか。

喫煙ブースの設置がスモークハラスメント対策として有効

受動喫煙を防止し、喫煙者、非喫煙者がお互いに気持ちよく仕事ができる環境を整備する必要があります。

そのためには正しく分煙しなければいけませんが、喫煙したい人の権利を守りつつ非喫煙者をタバコの煙や匂いから守らなければいけません。

そのためには基準を満たした喫煙ブースの設置が有効で、喫煙ブースを設置することでお互いタバコの煙やニオイを気にすることなく仕事に従事することができます。

禁煙ブースで発生したタバコの煙は外に漏れないのは当然で、喫煙している人の服や髪にニオイを付けません。

そのため喫煙から帰ってきても周囲の人にタバコのニオイで不快な思いをさせずに済みます。

喫煙ルームは大きさやグレードによって値段は変わりますが、導入することで喫煙に関する問題は解決しますし、社員からも喜ばれます。

受動喫煙対策として適正な分煙対応ができていない場合は社内で検討してみてはいかがでしょうか。