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コラム

カフェにおける正しい喫煙対策と効果とは?

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健康増進法の施行以来、カフェにおいても正しい喫煙対策を行うことが義務となりました。今回はカフェチェーンにおける実際の喫煙対策や喫煙ブース設置状況と、喫煙対策をしっかり行うメリットについてご紹介します。

大手カフェチェーンの喫煙対策傾向

カフェ文化が始まって以来、カフェと喫煙は切り離せない要素でした。コーヒーとタバコを同時に連想する人も少なくないでしょう。しかし、現在カフェであっても喫煙は法律で厳しく制限されるようになりました。これまで喫煙者が多数利用するイメージのあったカフェチェーンでも、全面禁煙になったり喫煙室が設置されています。大手カフェチェーンではどのような喫煙対策が行われているのでしょうか。

スターバックス

日本全国に1600以上の店舗を出店しているスターバックスは日本展開初期から全店完全禁煙となっており、カフェチェーンの中では喫煙ユーザーが利用しづらい店として早くから認知されていました。テラス席では各店舗判断で喫煙可能にしているケースはありましたが、ここ最近はテラス席でも喫煙不可となっている店舗が多いようです。これは他の客への影響に加えて、商業施設の敷地内禁煙となっていることと関係していると考えられます。

タリーズ

日本全国に約700店舗を出店しているタリーズは、完全禁煙、加熱式たばこ専用喫煙室あり、喫煙専用室ありの3種類の店舗があります。法で定められている通り加熱式たばこ専用喫煙室では飲食可、喫煙専用室では飲食不可です。

ホームページでの店舗検索画面では行こうとしている店舗がどのような喫煙対策をしているか、事前に調べることが可能です。

ドトール

日本発のコーヒーチェーンとして1970年代からカフェを展開している株式会社ドトールコーヒー。運営しているブランドにはドトールコーヒー、エクセルシオールカフェ、カフェコロラドなどがあります。2021年7月末の時点で総店舗数は1288店舗と公表されています。

以前は比較的喫煙客が利用しやすいカフェとのイメージがありましたが、やはり禁煙・分煙化の波は押し寄せています。自分が行こうとしている店舗やエリアのお店がどのような喫煙対策かは、店舗検索条件で完全禁煙か完全分煙を検索条件に入れて検索する仕組みです。しかし、完全分煙とは言っても、喫煙室専用室があるのか加熱式たばこ専用喫煙室なのかはここからはわかりません。

さらに詳しい情報を知るには興味のある店舗を検索結果から選択すると、店舗詳細ページの中で分煙設備が表示されます。例えばエクセルシオール カフェ渋谷宮益坂店であれば「分煙種別 喫煙ブース(紙・加熱)」といった具合です。

もともと喫煙者の利用が多かったカフェチェーンということもあり、喫煙者も非喫煙者も快適に利用できる環境には力を入れているように見受けられます。設置状況は店舗によるということですが、喫煙スペースの出入り口上部のエアカーテンで喫煙室内の煙が外に漏れないように徹底。また喫煙室を区切るパーテーションは圧迫感の少ないガラスパーテーション、さらに吸排気システムの導入により常に空気が綺麗な店内環境を実現しています。

カフェドクリエ

カフェドクリエはサッポロのグループ会社であるポッカクリエイトが運営しているカフェチェーンです。関東・東海・関西エリアを中心に現在全国で193店舗を展開しています。

喫煙対策は全席禁煙、加熱式たばこ・喫煙専用室あり、加熱式たばこ専用喫煙室あり、喫煙専用室あり、喫煙可能室あり、喫煙可能店の6種類です。

イタリアントマト

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イタリアントマトは株式会社イタリアントマトが運営するカフェチェーンで全国に約200店舗を展開しています。ケーキが美味しいカフェといえばイタリアントマトというイメージのある方もいるかもしれません。

ホームページの検索画面では喫煙状況に関する条件設定はありません。各店舗の詳細ページに飛ぶと分煙状況について記載があります。例えばイタリアン・トマト CafeJr. plus 池袋東口店だと「加熱式たばこ専用喫煙室あり【土日祝は完全禁煙】」といった具合です。

お店の分煙状況については完全禁煙、完全分煙、フロア分煙、区画分煙、空間分煙の5種類があると公式ホームページには記載があります。ただしフロア分煙、区画分煙、空間分煙は現在の健康増進法に適合しない可能性があるため、この情報は古い可能性があります。検索画面から全国の店舗をランダムにチェックしても、完全禁煙か完全分煙となっています。

シャノアール・ベローチェ

株式会社C-Unitedという名前は聞き慣れないかもしれませんが、シャノアール、ベローチェ、珈琲館、CAFE DI ESPRESSOなどを運営している会社です。シャノアールや珈琲館はカフェというより昔の喫茶店の形態のお店なので、喫煙者が気軽に利用できるイメージがあったかもしれません。しかし、こちらも現在では喫煙対策が行われています。

シャノアールやベローチェは基本的に全席禁煙か喫煙ブースあり、加熱式たばこ専用喫煙室ありとなっています。ユニークなのは珈琲館などのブランドの中に、20歳未満立ち入り禁止にした喫煙目的店があること。さらに、2020年11月に立ち上げた新ブランドであるTHE SMOKIST COFFEEは「煙草と珈琲という文化を大切にすること」を謳い、大人の嗜好品を楽しむ場所として全席喫煙可能(一部禁煙席あり)な喫煙目的店となっています。現在、新橋店、東新宿店、神田須田町店の都内3店舗を展開中です。

ルノアール

ルノアールといえばサラリーマンとタクシー運転手など、喫煙するおじさんの天国として、一歩先もタバコの煙で見えないイメージがありました。しかし、ルノアールも例外なく喫煙対策を行なっています。ルノアールの喫煙対策の分類は全席禁煙か分煙の2種類です。全席禁煙でも店舗によっては別に加熱式たばこ専用喫煙ブースを設置しているお店もあるようです。

ルノアールを運営する株式会社銀座ルノアールは、2020年4月以降、直営店において紙巻きたばこの喫煙を禁止としています。分煙であっても加熱式しか利用できず、加熱式たばこ専用喫煙ブースでもルノアールの場合は飲食不可です。

セガフレード・ザネッティ・エスプレッソ

セガフレードは東京を中心に20店舗ほどを展開するカフェチェーンです。イタリア発のコーヒーチェーンとしてイタリアンエスプレッソやお酒、おつまみも提供するカフェで、喫煙者も利用しやすいチェーンでした。

そうしたお店の特徴もあり、喫煙対策も他のカフェチェーンとは一風違う内容となっています。完全禁煙の店舗ももちろんありますが、加熱式たばこ専用喫煙室や紙巻きたばこが吸える喫煙専用ブースも積極的に設置。他に喫煙できる場所がないオフィスビル内の店舗では、世の中が完全禁煙の流れになってから非常に盛況となっている店舗もあるようです。

さらに新宿南口店は20歳未満の入店が不可である喫煙目的店となり、店内では自由に喫煙することが可能です。これまでもたれていたスモーカー・フレンドリーというイメージを残す動きをしているセガフレード・ザネッティ・エスプレッソは全体の流れの中では珍しいと言えるかもしれません。

カフェにとっての喫煙対策のメリットは何か?

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カフェが喫煙対策をしっかり行うことは、もちろん法令順守の観点から必要とされることはいうまでもありません。

しかし、個人営業のカフェや喫茶店の場合は企業のように大規模な設備導入や工事をすることが難しいケースもあるでしょう。その場合、なし崩し的に喫煙可にしていたり、設備が不要な完全禁煙にしてしまう店もあるかもしれません。

しかし、前者であれば法的なリスクがありますし、後者であれば常連客を失うなど経営上のリスクがあります。

低予算で行うことができる喫煙対策があれば法的なリスクも経営上のリスクも回避できるはずです。

喫煙者から見るカフェでの喫煙メリット

喫煙者にとってカフェで喫煙ができることは、吸える場所が増えるという当然のメリットがあります。また、コーヒーと煙草は昔から最良のパートナーとして認識されており、家やオフィスでは入れられないおいしいコーヒーと煙草を同時に楽しむためにカフェに行く人も少なくなかったはずです。これまでと同じように喫煙しながらコーヒーを飲めるのは喫煙者の生活の質を保つでしょう。

また、肩身の狭い思いをしがちな喫煙者が思いっきり喫煙できる場所があることで助かります。最新の設備を備えた喫煙室、喫煙ブースはただ仕切られただけの部屋と違い、換気機能も向上しています。適切な喫煙対策をしているカフェであれば、喫煙室から出てきた人がタバコくさいと言われることも減るはずです。

非喫煙者にとってのメリット

喫煙対策を行っているカフェは、非喫煙者にとっては副流煙を吸引するリスクがありません。健康被害がないお店であることが非喫煙者にとってのメリットです。子供と一緒でも躊躇することなく入店できます。

完全禁煙でなくても、喫煙ブースや喫煙室があれば安心です。こういった設備は国によりガイドラインが定められているため、喫煙ブース外に煙や匂いが一切漏れないような作りになっています。健康増進法が施行されてから新たに喫煙設備を作ったお店であれば、最新設備となっている可能性が高く、非喫煙者にとって居心地の良い店内環境を実現できている可能性が高いです。

お店側のメリット

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お店としては喫煙者・非喫煙者共に滞在する顧客の満足度をあげることができます。また、喫煙者は煙草を吸うことを主たる目的にして入店することが多いため、この場合はタバコを1、2本吸えば退店します。つまり、お店の回転率に貢献するお客様と言えるのです。

非喫煙者の場合、フードを食べたり仕事や勉強をしたり仲間内でおしゃべりをしたり、店内滞在時間が長くなるケースが多いです。しかし、喫煙者は喫煙が終わりドリンクを飲み終われば退店するため、喫煙者の利用が多くなればお店の回転率が上がります。回転率が上がれば客数が増え収益が上がります。

実際、前述したセガフレード・ザネッティ・エスプレッソでは、オフィスビル内で働く喫煙者でお店に行列ができるようです。回転率が高いため行列ができてもすぐに自分の番がきますし、非喫煙者にとっては喫煙者の行列ができたところで店舗で過ごす上で問題はありません。

このように、喫煙対策をしっかり行うことは、喫煙者、非喫煙者、そして店舗側にとってもメリットの生まれることになります。完全禁煙に踏み切るお店が多い中、喫煙設備を備えたお店であることはお店の強みとして集客の役に立つはずです。

とはいえ、大規模な設備投資をするのは難しいお店も多いはず。だからこそ国の基準に適合した喫煙ブースを設置するという選択肢は、カフェオーナー様には有効な投資であるといえそうです。

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