2020年4月の改正健康増進法の全面施行に加え、各自治体による受動喫煙防止条例の制定など、喫煙を取り巻く環境はここ数年で劇的に変化しました。喫煙所の設置において多くの担当者様が頭を悩ませるのが、維持に必要なコストです。
そこで今回は、喫煙所の維持費について、大阪府の状況を例に解説します。喫煙所ではなく喫煙ブースがおすすめの理由も併せて紹介するため、参考にしてください。
喫煙所の維持費はいくら?

結論、喫煙所の維持費を一概に「平均〇〇円」と断定することは非常に困難です。設置される環境により、維持費が大きく変動するためです。
例えば、都市部か地方かによってテナント料、電気料金の単価などが変わります。また、数名の従業員が使うだけの小規模な喫煙所と、ひっきりなしに利用者が訪れる大型喫煙所では、清掃頻度や消耗品の交換サイクルが異なります。このような背景もあり、喫煙所の維持費を明確に示すことが難しいのです。
ここで1つ取り上げるのが、喫煙所不足が深刻とされている大阪府です。路上喫煙が相次いでいたため、大阪市全域で路上喫煙が禁止となりました。
そんな中、大阪のとあるタバコ店は、大阪市の補助金で喫煙所を設置しました。しかし、掃除の負担軽減のために清掃業者を雇わざるを得ず、維持費は1ヶ月で10万円ほど発生していると言います。決して安い金額とは言えないでしょう。
タバコを売るためのサービスとして設置した喫煙所が、逆に経営を圧迫するという状況が生まれているのです。
(出典:カンテレNEWS「愛煙家「喫煙所が圧倒的に足りない」聞こえてきた悲鳴と「もう嫌です!」“月10万円”維持費で「50年で初の赤字」悩むたばこ店・店主 大阪市全域「路上喫煙禁止」1年後の現実」/https://www.ktv.jp/news/feature/260115-kituen/)
喫煙所の維持費で発生する項目

喫煙所を維持する際に必要な項目には、主に以下の3つがあります。
・電気代
・清掃・管理代
・メンテナンス代
それぞれ解説します。
(1)電気代
喫煙所の維持費の中で、最も基本的かつ削減が難しいのが電気代です。喫煙所として認められるためには、法令で定められた技術的基準を満たす必要があります。そのため、一般的な部屋よりも強力な換気設備が求められます。
タバコのニオイ漏れを防ぐために、換気扇や空気清浄機は常時稼働が基本となります。昨今の電気料金値上げの影響もあり、特に24時間稼働の施設や、換気風量の大きい広い喫煙所では、電気代だけで数万円単位のコストになることも珍しくありません。
(2)清掃・管理代
清潔で快適な喫煙環境を保つためには、日々の清掃が欠かせません。タバコの煙に含まれる「タール(ヤニ)」による汚れは、通常の洗剤では落ちにくく、放置すると悪臭の発生源となります。
清掃を自社スタッフで行う場合、維持費は発生しませんが、貴重な労働時間を清掃に費やす必要が出てきます。一方、清掃業者に委託すればスタッフの負担は減るものの、月額数万円以上の委託費が必要です。
(3)メンテナンス代
設備を長く安全に使い続けるためには、定期的なメンテナンス費用も予算に組み込んでおく必要があります。分煙機や空気清浄機を使用している場合、最も高額になるのがフィルター交換費用です。
集塵フィルターや脱臭フィルターは消耗品であり、汚れたまま使い続けると性能が著しく低下し、故障の原因にもなります。使用頻度にもよりますが、数ヶ月〜半年に一度の交換が必要で、高性能なものほど高価になる傾向があります。
喫煙所の維持費を抑える方法3つ

喫煙所の維持費を少しでも抑えたい場合、以下の3つの方法を検討してみましょう。
・補助金を活用する
・清掃を自社で完結させる
・コンパクトな喫煙所をつくる
それぞれ紹介します。
(1)補助金を活用する
国や自治体では、受動喫煙防止対策に取り組む中小企業事業主に対し、喫煙所の設置費用や改修費用の一部を助成する制度を設けています。
多くの助成金は設置費や設備費が対象ですが、高性能な省エネ機器への入れ替えに補助金を使えば、結果として毎月の電気代(維持費)を下げることにつながります。
設置を検討する際は、厚生労働省や各自治体のホームページで最新の公募状況を確認しましょう。
(2)清掃を自社で完結させる
清掃業者に委託するのではなく、自社スタッフで清掃を行うことも、維持費を減らす有効な手段になります。ただし、自社で完結させる場合は、清掃負担を減らす工夫とセットで考える必要があります。
壁紙をヤニが拭き取りやすいパネル素材にする、吸い殻をまとめて捨てやすい形状のスタンド灰皿を導入するなど、設備面での工夫が重要です。
(3)コンパクトな喫煙所をつくる
これから喫煙所をつくる場合は、なるべくコンパクトなサイズにすることも一つの手です。デッドスペースを活用した1人用や少人数用の喫煙スペースであれば、照明や空調の効率も良く、維持費を最小限に抑えることが可能です。
どの程度の利用人数が見込まれるのか想定し、適したサイズの喫煙所をつくりましょう。
維持費を抑えられるのは「喫煙ブース」

ここまで維持費の削減方法について解説しましたが、維持費を抑えたいときにおすすめの設備が喫煙ブースです。
喫煙ブースはコンパクトな設計のものが多く、清掃の負担が限定的です。吸引機能に優れているものであれば、ヤニによる汚れもほとんど発生しないでしょう。
さらに1〜2名用の小型ブースであれば、必要な換気風量も、大型のサイズに比べると少なくなります。部屋全体を換気・空調する場合と比べ、圧倒的に少ないエネルギーで効率よく空気を浄化できるのです。
また、喫煙ブースを販売する業者の中には、レンタルプランを用意するところもあります。喫煙所を新規でつくる場合に比べて、初期費用を大幅に削減することが可能です。
費用、あるいは清掃負担の両面から考えても、喫煙ブースがおすすめと言えます。
喫煙ブースの効果を実感した企業の実例2選

ここでは、実際に喫煙ブースを導入した結果、効果を実感した例について紹介します。
長崎県にあるリゾートホテル「ホテルパサージュ琴海」は、客室の全室禁煙化にともない、喫煙ブースを導入しました。導入以前は客室でタバコを吸うことが可能でしたが、スタッフの清掃負担もあったと話します。
しかし、喫煙ブースの設置によって清掃負担は大幅に削減。効果を強く実感されています。詳しい内容は以下からご覧いただけます。
【導入事例】清掃の負担もなくなって、本当に100点満点の喫煙ブースです。
また、静岡県の「ホテルサンバレー富士見」も、喫煙ブースを導入したホテルです。禁煙室を希望するお客様が年々増えていた背景から、2022年に導入しました。
清掃については「灰皿の交換だけで完了しますので、負担に感じたことはありません。」と、ほとんど悩むことはないと回答。いまや喫煙ブースは必須のものとなっています。
詳しい内容は以下からご覧いただけます。
【導入事例】当館での滞在を楽しんでいただくために、スモーククリアは欠かせません。
喫煙ブースが導入されているお店に潜入!
実際に喫煙ブースがどのように活用されているのか、設置されているお店に潜入してみました!
1店舗目は仙台にあるカフェチェーン店です!

ショッピングモールの中にあるということで、歩いていきます。

少し歩くと有名なカフェチェーンのお店がありました!少し休憩したい、あるいはパソコン作業をしたいなど、あらゆるニーズを持った方が店内にいたように映りました。


こちらのお店は、以下の写真の透明部分より奥側が喫煙スペースとなっています。そして、右側の黒い長方形の設備が喫煙ブースです。

こちらの喫煙ブースは1名用で、非常にコンパクトなサイズ感です。

中は以下のような構造で、左側に灰皿があります。この大きさであれば、清掃もすぐに終わりそうですよね。わずかなスペースをうまく活用している例と言えます。

さらにもう1店舗、東京の銀座にも足を運びました。

こちらは、東京都内に複数の店舗を展開するカフェです。


夜21時ごろに訪れましたが、店内は多くのお客さんで賑わっていました。喫煙スペースが別で用意されており、入口前には以下の貼り紙がされています。

実際に設置されていた喫煙ブースがこちらです。

先ほどと同じく1人用の喫煙ブースですね。ある程度の利用があったのか、いくつかの吸い殻も見られました。しかし、ブース内が汚れているような印象は受けず、ニオイも感じませんでした。
詳しい維持費は不明ですが、大きな喫煙所に比べれば、喫煙ブースのほうが費用を抑えられるでしょう。
まとめ
喫煙所の維持費は、設置環境や運用方法によっては月10万円近くになるケースもあり、事業者にとって無視できない課題です。電気代、清掃費、メンテナンス費といったランニングコストは、設備がある限り毎月発生し続けます。
しかし、補助金の活用や運用の見直し、喫煙ブースの導入によって、コストや手間は大幅に圧縮することが可能です。少しでも維持費を抑えたい場合は、喫煙所ではなく喫煙ブースの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

