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公衆喫煙所の未来。助成金を活用し閉鎖空間ときれいな空気を実現しよう

誰でも安心して喫煙できる公衆喫煙所ですが、コロナ禍で閉鎖が増加し喫煙者にとっては不便になる一方です。施設としては公衆喫煙所を整備することで施設利用者を増やせる等のメリットがあります。公衆喫煙所をどのように整備すればいいか、さらにどのような助成金を活用できるかご紹介します。

そもそも公衆喫煙所とは

公衆喫煙所は誰でも利用できる喫煙所を指します。屋内であれば主に施設の利用者が喫煙し、屋外であればもっと幅広い利用者が訪れます。屋外でよく喫煙所がある場所は駅周辺、公園内、人が集まるエリアの道沿いなどです。

屋内に公衆喫煙所を作る場合、改正健康増進法により定められた非常に厳しい基準があります。以下の3つを満たさなければ罰金が科される等の処罰があります。

・出入口において、室外から室内に流入する空気の気流が0.2m 毎秒以上。

・たばこの煙が室内から室外に流出しないよう、壁、天井等によって区画されていること。

・たばこの煙が屋外又は外部の場所に排気されていること。

(詳しくはこちらのコラムをご覧ください)

それでは屋外の公衆喫煙所の場合はどのようなルールがあるのでしょうか。実は屋外の公衆喫煙所は改正健康増進法の対象外です。つまり、屋内の公衆喫煙所に求められるような設備基準がありません。このことが屋外の公衆喫煙所が文字通り煙たがられる原因になっています。

コロナ禍で増加する公衆喫煙所閉鎖

2020年に始まった新型コロナウイルス禍により3密を避けるべしという行動様式が生まれました。厚労省によれば3密とは

・換気の悪い密閉空間

・多数が悪い密集場所

・間近で会話や発声をする密集場面

と定義されていますが、公衆喫煙所は3密を満たしてしまう場所というイメージがあります。また喫煙にあたってはマスクを外すため、飛沫が飛ぶリスクもあるでしょう。

3密を満たしてしまう場所があることはコロナ感染拡大を防ぐという趣旨にそぐわないということで、行政及び施設管理者によって続々と公衆喫煙所の閉鎖が進んでいます。

例えば東京の千代田区には区が運営していたり助成金を出している施設に合計41箇所の公衆喫煙所が設けられています。これらの公衆喫煙所はコロナ禍で最大34箇所が閉鎖されたことが日本禁煙学会の調査で明らかになっています。

2021年にはオリンピックもあり、街のイメージアップの一環でかなりの店舗や施設が禁煙に踏み切りました。公衆喫煙所もその流れで今後閉鎖され続けることが予測されます。

公衆喫煙所閉鎖で発生している問題とは

公衆喫煙所を閉鎖することで、確かにその場の3密を解消し飛沫感染を防止できるかもしれません。しかし、そのしわ寄せも発生しています。

コロナ禍でテレワークが進んだことによりオフィスへの出社が減りましたが、仕事の内容や職場のルールなどによって以前と変わらず出社しなければいけない人もいます。しかし、オフィスビル内の公衆喫煙所は3密防止や利用者減により閉鎖。近くの公園の屋外公衆喫煙所に喫煙者が集まる事態が発生しています。そして、屋外喫煙所ですら閉鎖しているケースがあるので、残った営業中の公衆喫煙所の混雑は増す一方です。

代表的な例が新宿中央公園です。これまでは周囲のオフィスビルの喫煙所を使用していた喫煙者が、閉鎖により新宿中央公園の公衆喫煙所に押し寄せました。通常定員20~25人ほどの喫煙所に最大で250名程度が集まり、入らなかった人たちは喫煙エリアではない周囲で喫煙。公園管理者による呼びかけも無視されたため、結局新宿中央公園の公衆喫煙所は閉鎖となっています。

このようなケースは珍しくありません。大挙して喫煙者が押し寄せ喫煙所に入りきらない喫煙者が周囲で喫煙したため、閉鎖となってしまった公衆喫煙所の例は全国にあります。

このような公衆喫煙所は喫煙者本人にとっても好むところではないという調査結果も出ています。

喫煙者2164人に対して「喫煙したくても、喫煙所を利用したくないと思うことがありますか」という質問をしたところ、2/3の喫煙者がそう思ったことがあるという回答をしたということです。

さらに、「駅前など人通りの多いエリアで、喫煙所が設置されていても、喫煙所以外の路上等で喫煙したことが、過去5年間にありますか」という質問に対しては、過去5年間で喫煙所以外で喫煙したことがある人は3/4程度に達しました。

参考:https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20210608-00242008

公衆喫煙所まで行くのが面倒だったり立地の問題などもあるかもしれませんが、公衆喫煙所自体が喫煙者にとっても必ずしも快適な空間ではないことを表している結果ではないでしょうか。

既存の公衆喫煙所の問題点

公衆喫煙所の閉鎖が続いている理由は大きく3つ理由が考えられます。

①コロナ禍での3密を防ぐという目的

②急激な利用者増により管理が不能になり環境が悪化した

③周囲の受動喫煙を防止するという目的が果たせていない

この中で特に②と③の原因となっている、そもそもの既存の公衆喫煙所の問題点について考えてみましょう。

公衆喫煙所の面積が狭い

そもそも公衆喫煙所が狭くキャパオーバーしている可能性があります。屋内型であれば複数階にするという方法もあります。

喫煙所内の区画分けがされていない

喫煙所の内部が特に灰皿や衝立などで区画分けされておらず、密集密着した中で喫煙している光景もよく見かけます。これは3密であると同時に、喚起機能も大きく損なわれます。また、喫煙者同士の距離が近いことで、衣類にタバコの灰がかかったり火がついたりするリスクが高くトラブルの原因にもなります。喫煙者にとっても快適ではありません。

一回の利用時間制限がない

常に混雑している公衆喫煙所は、時間制限がないことが多いです。1回の利用時間を5分程度と定めているところもありますが、目や耳に訴える告知をしないと長時間居座る喫煙者もいます。結果、なかなか喫煙所に入れないため、喫煙所周辺で喫煙する人が現れます。

喫煙所入場にあたり待ちの列を作るなどのルールがない

喫煙所に入るにあたって定員を超えている場合に、入室待ちの列を作ったり入室可能になったら表示するなどのルールがないと、無秩序になり結果周辺で喫煙をする人が増えます。喫煙室内の人数管理をしつつ、順番待ちの際のルールをしっかり伝わるような形で告知しなければなりません。

周囲にたむろしたり溜まることができる環境になっている

喫煙所周囲にベンチやあずまやなどがあると「近いからいいか」という感覚で吸い始める人が現れます。なるべく周囲に長居できるような設備を設けないことが大切です。

吸い殻入れの容量が小さい

公衆喫煙所内が混雑している上に吸い殻入れの容量が小さいと、吸い殻が入りきらずに溢れたり捨てるのが億劫で床や周辺の地面にポイ捨てが増えます。定期的に回収を行うか大容量の吸い殻入れを用意したり吸い殻入れの設置数を増やす必要があります。

開放型で煙が外にそのまま流れている

公衆喫煙所が開放型の場合は、周囲の通行人や施設利用者の受動喫煙を完全には防げず、印象もあまり良くありません。さらに開放型であることで、なんとなくその周りも喫煙していいような雰囲気になります。

分煙機や脱臭設備が不十分

公衆喫煙所内に分煙機や脱臭設備がないことで、煙や臭いのケアができず受動喫煙が防げないだけでなく、喫煙者自身にとっても快適な空間でなくなります。公衆喫煙所を使うと髪や服に煙の臭いがついてしまうのは喫煙者にとっても非常に気になりますし、そういう喫煙所は敬遠されます。喫煙所離れだけでなく、あえて喫煙所に入らず周囲で吸う行動につながってしまうのです。

どういう公衆喫煙所が望ましいか

施設屋内にある喫煙所であれば上記のような問題は非常に起こりにくいです。理由としては、最初に述べたように屋内喫煙所の設置条件は非常に厳しく、受動喫煙が起こらない設計であると同時に厳しい管理運用が求められるためです。

別の見方をすると、屋外の公衆喫煙所に関しても屋内と同じ基準で設備を整えれば、喫煙者にとって快適で環境や非喫煙者にも優しい喫煙所となります。

整えるポイントは閉鎖空間を創る事と、きれいな空気を排出すること。屋外公衆喫煙所にありがちな開放型ではなく、コンテナタイプの閉鎖型の公衆喫煙所にすれば実現できます。

閉鎖型の室内には、分煙機や空気清浄機、エアカーテンなどの設備を設置し、室内の空気を清浄に保ち浄化された空気を屋外に排気。喫煙所の利用者は快適になり、周辺の通行人の受動喫煙も防ぐことが可能です。

閉鎖空間を作り綺麗な空気を輩出する設備を整えるとともに、施設管理も重要です。適切な利用時間を守ってもらう告知や3密空間にならないような区分け、清掃や吸殻回収などの定期巡回もしっかり行いましょう。

公衆喫煙所を整備するために助成金を活用しよう

公衆喫煙所を設置する場合、行政の助成金を活用できます。いわゆる中小企業向けの受動喫煙防止対策助成金とは別で、各自治体が公衆喫煙所を設置する企業や団体に向けて設けている助成金です。社員のみが使用するのではなく、誰でも使用できる公衆喫煙所設置の場合に活用できます。

例えば新宿区の場合、

・屋内公衆喫煙所:1,000万円

・屋外公衆喫煙所(コンテナ型): 1,000万円

・屋外公衆喫煙所(パーテーション型):600万円

という助成金額です。工事費、設計費、備品、機械装置費等など、設置や改修移設にかかるほとんどの項目をカバーできると考えて良いでしょう。ただし消費税額は除きます。

自治体によって条件や申込み期限が違いますので、自社の所属している自治体のホームページ等でよく確認しましょう。

これは、仮に敷地内に作ったとしても、一般の方が利用できるという条件があるかどうかによります。ですから、駐車場スペースなどを上手に活用することで、社員満足度を高める施策を、助成金を活用しながら実施できるのです。

助成金に関するコラムはこちら

公衆喫煙所を整備し喫煙者を含めたSDGsを実現

喫煙は悪だと決めつけ、公衆喫煙所を閉鎖することは簡単です。しかし、多様性が認められる現代だからこそ、喫煙者と非喫煙者が共生できるような社会を目指すことが必要なのではないでしょうか。しっかり環境整備した公衆喫煙所を設置することで、喫煙者も社会の中で生き生きと活躍できるはずです。助成金を活用し誰でも利用できる公衆喫煙所を設置することで、企業としてもSDGsの文脈で社会に貢献できるのではないでしょうか。