オフィスや飲食店で喫煙者向けに設置されている喫煙室は、定期的な清掃が必要です。とはいえ、清掃が面倒に感じられることは多いうえ、どこまで行えばよいのかわからない方もいるでしょう。
そこで今回は、喫煙室清掃の方法から注意点までを解説します。また、清掃を少しでもラクにする方法も紹介するため、喫煙室清掃にお困りの方はぜひ最後までご覧ください。
喫煙室清掃が必要な理由
喫煙室の清掃が必要な理由はいくつかあります。まず、室内環境の悪化です。
タバコの煙には有害物質が含まれており、壁や床、天井に付着しやすく、長期間放置すると黄ばみやニオイの原因になります。非喫煙者にとっては特に不快な環境となり、職場や施設の印象を損なう要因につながりかねません。
また、喫煙室の清掃は、改正健康増進法の要件を満たすためにも重要です。喫煙室を適切に管理・清掃しなければ、受動喫煙のリスクが高まり、法的な問題につながる可能性があります。特に企業や公共施設では、法律に適合した環境整備が求められます。
改正健康増進法に関しては、以下の記事で解説しています。
【現地レポート】改正健康増進法で押さえておきたい「喫煙室」に関するルールとは?
喫煙室清掃の具体的な内容
喫煙室の清掃は、主に以下のような内容が必要です。
・吸い殻のゴミ処理
吸い殻や灰の処理は毎日行う必要があります。放置すると悪臭の原因となり、火災リスクも高まるため、入念に確認することが欠かせません。
・壁、天井、床の掃除
壁や天井にはヤニが付着しやすく、放置すると汚れが落ちにくくなります。定期的に専用のクリーナーを使用して清掃することが重要です。床も灰やホコリがたまりやすいため、こまめに清掃しましょう。
・換気設備のメンテナンス
喫煙室の換気システムが正常に機能していないと、煙が室内に滞留し、ニオイが染みつきやすくなります。フィルターは定期的に清掃や交換を実施してください。
喫煙室清掃の注意点
喫煙室の清掃を実施する際には、いくつかの注意点があります。以下の内容を押さえておきましょう。
・適切な防護対策を講じる
ヤニや煙が付着した場所を掃除する際には、手袋やマスクを着用し、直接吸い込まないように注意しなければなりません。健康被害に直結するため、適切な防護対策を講じることが大切です。
・専用のクリーナーを使用する
強力な洗剤を使用すると、表面が傷んだり変色したりすることがあります。経年劣化を防ぐ意味でも、清掃の際はタバコのヤニ専用クリーナーを使用し、適切な方法で実施するようにしてください。
・換気を徹底する
清掃中はできるだけ換気を行い、煙や清掃用の化学薬品が室内に充満しないようにしましょう。ただ、非喫煙者が作業するスペースに煙やニオイが漏れないよう、十分に注意する必要があります。
喫煙室清掃は非喫煙者のストレスにつながる
基本的に、喫煙室の清掃は喫煙者が実施するよう調整しましょう。
喫煙室はタバコのニオイが強く、ヤニによる汚れも多いため、清掃に対する抵抗感が生じやすい環境です。日頃からタバコを吸わない人にとっては、嫌悪感を抱くケースも少なくありません。
また、望まない受動喫煙につながる可能性も否定できません。こういった背景から、基本的には喫煙者自身が行うべき作業といえます。
喫煙室清掃の負担を減らす方法
喫煙室の清掃は、労力とコストのかかる作業です。長期的に考えると、清掃の負担を減らす対策を講じることが望ましいでしょう。
基本的な方法としては、喫煙マナーの徹底が第一に挙げられます。喫煙者自身が吸い殻を適切に処理し、周囲を清潔に保つことで、清掃の手間を減らせます。また、プロの清掃業者に清掃を依頼するのも一つの方法です。
しかし、少しでもマナー違反があると喫煙室の環境が悪くなってしまいます。加えて、プロの清掃業者を何度も呼ぶのは面倒なうえ、コスト面の負担も考えなければなりません。
そういった場合におすすめの方法が、喫煙ブースの導入です。喫煙室に比べると利用可能な人数は減少しますが、清掃の負担が大幅に軽減されます。フィルターや排煙システムが充実しているため、壁や床が汚れることがなく、清掃頻度を減らすことができるのです。
喫煙ブースはオフィス飲食店、ホテルを中心に多く導入されており、喫煙者と非喫煙者の共存に一役買っている設備です。
喫煙ブースを導入するお店に潜入取材!
それでは実際に、喫煙ブースが飲食店でどのように活用されているのか紹介したいと思います!
まず1店舗目は、東京の虎ノ門ヒルズ周辺です!再開発が進んでおり、周囲には高層ビルがたくさん立ち並んでいます。
現在も工事が進められており、これからもさらに変化していくのでしょうね。
喫煙ブースを導入するお店は、こちらの「住友不動産虎ノ門タワー」の中にあるとのこと!
実際に中に入ってみると、誰もが知っている有名なカフェ店がありました!平日の15時過ぎという時間帯のため、入店時はお客さんが少なかったものの、徐々に増えていきました。
そして、以下写真の手前側が禁煙スペース、奥側が喫煙スペースとなっています。その喫煙スペース部分に、喫煙ブースが設置されていました!
より近づいて撮影した写真がこちらです。2名用の喫煙ブースとなっています。
内部を撮影すると、壁には汚れがまったくありません!おそらく一定数の利用者数がいるはずですが、清潔に保たれていることが見て取れます。
ただ、他の店舗ではどうなのでしょうか?そこで2店舗目は、大阪のお店まで取材に行きました!
次に訪れたのは大阪の梅田です。地下鉄の梅田駅から歩いていきます。
しばらくすると大きな建物が出てきました。飲食店や企業のオフィスが集まっている建物で、日曜日ということもあり、通常よりはお客さんが少ない印象です。
エレベーターを上がっていくと、こちらも有名なカフェがありました!中に入ってみると喫煙ブースが設置されていて、こちらは4人用です。一際大きなサイズ感となっています。
実際にお店に滞在していると、ご覧のように喫煙ブースを利用する方がいました。喫煙者からすると、喫煙ブースのおかげでタバコが吸えるのは嬉しいのかもしれませんね。
こちらも中に入ってみると、壁の汚れはまったくありません。また、利用された後に入ってもニオイはまったく気になりませんでした!
設置には費用がかかり、場所の確保も必要となるため、手間がかかることは事実です。しかし、何度も清掃する負担がなくなることを考えると、喫煙ブースはおすすめできるものと感じました。
まとめ
今回は喫煙室清掃の方法について解説しました。
喫煙室の清掃は、室内環境の維持や法律の遵守のために欠かせない作業です。しかし、非喫煙者にとっては負担の大きい作業であり、長期的に見ると清掃の必要性を減らす工夫が重要になります。
喫煙ブースの導入や清掃業者の利用など、環境改善のための対策を検討することで、より快適な空間を維持できるでしょう。
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<この記事の取材・執筆者 N.T>
1993年生まれ、大阪出身。大学卒業後さまざまな職を転々としたのち、2019年よりWebマーケティング会社に転職。Webライターとして活動を続け、2023年5月よりフリーランスに転身。野球やバスケットボールなど、スポーツ全般をこよなく愛する。