喫煙可能な環境として「喫煙ブース」や「喫煙ルーム」がありますが、それぞれの違いについてわかりにくく感じることも多いはずです。喫煙環境の用意を考えている事業者は、喫煙ルームについて詳しく知っておきましょう。
そこで今回は、喫煙ルームの概要について、種類を含めて解説します。また、喫煙ルームが導入されているお店への取材も実施。詳しい詳細がわかる内容となっているため、ぜひ最後までご覧ください。
喫煙ルームの概要
一般的に言われる喫煙ルームとは、タバコを吸える施設のことを指し、喫煙ブースや喫煙室とほとんど同じものです。なお、喫煙室は大人数で利用できるものがある一方、喫煙ブースには1人用や2人用のサイズも見られます。
喫煙ルームは東海道、山陽、九州新幹線の車内に設置されていました。しかし、健康意識の高まりなどもあり、2024年3月16日をもって廃止。喫煙者の肩身が狭い状況は歯止めがきいていない状況です。(出典:「産経新聞」/https://www.sankei.com/article/20240315-XW4FAMZ7ERMJNEG7PQ3PFMYET4/
大阪府では2025年4月から「受動喫煙防止条例」が施行
受動喫煙に関する関心も高くなっており、現在は分煙を実施する企業も増えています。また、国や自治体もさまざまな取り組みを展開中です。
大阪府では2025年4月から「大阪府受動喫煙防止条例」を施行します。現状、以下の条件に該当する飲食店には経過措置が取られており、喫煙か禁煙かを選択できます。
・2020年4月1日時点で営業中の飲食店
・個人経営あるいは資本金が5,000万円以下
・客席面積が100平方メートル以下
しかし、客席面積が30平方メートルを超える飲食店は、2025年4月より「原則屋内禁煙」となるのです。対応が済んでいなければ罰則を科されるため、該当する飲食店は早急な対応が求められます。
(出典:大阪府/https://www.pref.osaka.lg.jp/o100070/kenkozukuri/judoukitsuen/index.html)
喫煙ルームの種類4つ
喫煙ルームと一口に言っても、複数の種類があります。種類の概要についてそれぞれ紹介します。
・喫煙専用室
喫煙だけが許可されているスペースです。スペース内での飲食の提供、および飲食はできません。
・加熱式たばこ専用喫煙室
喫煙専用室とほとんど同じですが、喫煙できるのは加熱式たばこに限られています。また、飲食が許可されている部分に違いがあります。
・喫煙目的室
施設のすべて、あるいは一部について、喫煙を目的としたスペースにすることを指します。主食以外(※)の飲食が可能です。(※)主食とは、米飯類、パン類(菓子パン類を除く)、麺類など、社会通念上主食と認められる食事を指します。
・喫煙可能室
小規模な飲食店などに限定して、設置が認められている経過措置です。
なお、どの喫煙ルームにおいても「標識の掲示」が必要です。また、20歳未満の方を喫煙エリアに立ち入らせることも禁止されています。
喫煙ルームの選び方
喫煙ルームを導入する際は、どのメーカーを選ぶべきか悩むこともあるでしょう。選び方として挙げられるのは以下の通りです。
・実績は豊富にあるか
・提案力に優れているか
・メンテナンスを実施してもらえるか
実績が乏しいメーカーを選ぶと、導入前のやり取りが増えたり、導入後のトラブルにつながったりするケースもあります。特に工事が必要になる際は、実績を注意深く確認してください。状況によっては工事不要の喫煙ブースもおすすめです。
提案力については、価格も含めて確認しましょう。決して「安ければいい」とは限りません。課題解決につながる提案をしてもらえるか、提案は納得できるものかどうか、見極めが肝心です。
また、喫煙ルームを長く使用するためには、定期的なメンテナンスが必須です。メンテナンスの実施可否もチェックしておきましょう。
さらに詳しい選び方は、以下の記事で解説しています。
【現地レポート】喫煙ブースのメーカーはどこがいい?選び方などを解説!
喫煙ブースを導入するお店に潜入取材!
今回は、喫煙ブースを導入するお店に潜入取材を実施しました。喫煙ブースがどのように利用されているのか、ぜひ参考にしてください。
最初に訪れたのは横浜市の関内駅です。横浜スタジアムが近くにあり、常に多くの人で賑わっています。
関内駅にあるカフェを目指して歩きます。
およそ10分歩いたところにPRONTOがありました!誰もが知っている有名なカフェですね。
店内に関する説明には「喫煙専用室あり」との文字がありました。また、「喫煙ブースあり」とも書かれており、喫煙者にも配慮されていることがうかがえます。
店内に入ってみると、入口近くに喫煙ブースがありました!大きさを見ると2人は同時に入れるようです。
また、以下のような注意書きもされていました。喫煙専用室の説明にもあったように、飲食は不可となっています。
お昼の時間帯ではありましたが、年齢を問わず多くの方が喫煙ブースを利用していました!喫煙環境を求める方が多いことの表れと言えますね。
続いてもう1店舗、今度は東京の大崎を訪れました。
大崎駅を出てひたすら歩いて行きます。
歩いて行った先にあったのはタリーズコーヒーです!こちらも有名なカフェで、喫煙スペースが用意されている店舗も多くあります。
クリア分煙の実施店であることも掲示されていますね。
店内は「喫煙スペース」と「禁煙スペース」に分けられており、喫煙スペースの中に喫煙ブースがあるという構造です。
お店には1時間ほど滞在し、約5名ほどが利用していました。電子タバコはスペース内で、紙巻きタバコは喫煙ブース内で吸うという分け方のようです。
2店舗を回ってみて感じたのは、喫煙環境を求める人はまだまだ多いことでした。「喫煙者を取り込みたい」と考えている際は、喫煙ブースを選択肢の一つに入れるのもおすすめです。
まとめ
この記事では喫煙ルームの概要について、4つの種類から選び方まで紹介しました。
東海道新幹線の喫煙ルームが廃止されたように、喫煙に対する世間の目は厳しくなっています。また、大阪府で受動喫煙防止条例が施行されるなど、飲食店の対応も求められる状態です。
メーカーの選び方を把握したうえで、喫煙ルームの導入といった対策を検討しましょう。工事にかかる負担を軽減したい場合は、喫煙ブースも検討してみてください。
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【現地レポート】喫煙ブースの設置には助成金を活用できる?助成金の詳細も解説
<この記事の取材・執筆者 N.T>
1993年生まれ、大阪出身。大学卒業後さまざまな職を転々としたのち、2019年よりWebマーケティング会社に転職。Webライターとして活動を続け、2023年5月よりフリーランスに転身。野球やバスケットボールなど、スポーツ全般をこよなく愛する。