分煙環境の実現に一役買っている喫煙ブースは、飲食店やオフィスでの導入が増えています。導入したいと考えているものの、喫煙ブースを販売するメーカーは数多くあるので「どのようにして選べばいいのか分からない」と悩むことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、喫煙ブースのメーカー選びについて、導入前のチェックポイントなどを紹介します。分煙環境を整える重要性についても改めて確認し、導入するかどうかの検討材料にしてください。
喫煙ブースのメーカーを選ぶときのチェックポイント4つ
喫煙ブース選定の際、最も重要な点は、「品質」と「価格」です。どんなに立派な喫煙ブースであったとしても、煙やニオイが漏れるなど、品質が悪ければ、意味がありません。
価格については、安かろう、悪かろう、では、全く意味がありません。逆に、高すぎれば、導入へのハードルが高くなります。品質が良く、適正価格のメーカーを選定することが、大切です。
そのためにも、喫煙ブースのメーカーを選ぶときは、以下の4点に注目しましょう。
・導入実績は豊富か
・正しい知識を持っているか
・提案力に優れているか
・アフターフォローに力を入れているか
それぞれの見出しで詳しく解説します。
1:導入実績は豊富か
多くの導入実績は、品質と価格が良いことの大切な証です。更に、飲食店のチェーン店や企業などで、リピート利用されていれば、その裏付けとなり、重要な判断材料です。
また、喫煙ブースの設置は、消防設備など設置する場所によって難易度が大きく異なります。導入実績が多いメーカーであれば、難易度の高い設置でも適切な対応をしてもらえますが、導入実績が少ないメーカーに依頼すると、うまく設置してもらえない可能性があるのです。
基本的に、喫煙ブースのメーカーは自社のホームページに導入実績を掲載しています。どういった場所に設置しているのかに加えて、導入した依頼主のコメントも確認しておきましょう。実績が多ければ多いほど安心できます。
2:正しい知識を持っているか
喫煙環境をめぐる流れは日々変化しており、改正健康増進法など法律に関する理解は不可欠です。また、屋内に設置するのか、屋外に設置するのかでも設置基準が異なるため、メーカー側は正しい知識を持っておく必要があります。
喫煙ブースの導入を検討する段階で、あらかじめ設置基準などを調べておきましょう。そして、メーカーに問い合わせる際は設置基準などを知っていても知らないふりをして、メーカー側の知識を確認してみることがポイントです。
3:提案力に優れているか
提案力が優れているかどうかも、喫煙ブースのメーカー選びで大切になります。オフィスや飲食店の事情はそれぞれ異なるため、個々の状況に応じた提案をしてくれるメーカーであれば、安心して依頼できます。
一方、導入を依頼する側の悩みに応えていなかったり、一方的に意見を押し付けてきたりするメーカーはおすすめしません。メーカーの提案に少しでも疑問・不安を感じる際は、複数のメーカーに問い合わせることが賢明です。
4:アフターフォローに力を入れているか
喫煙ブースを導入した後、アフターフォローに力を入れているメーカーは、顧客のことを考えている証拠と言えます。喫煙ブースは設置後もメンテナンスが必要であり「設置したら終わり」ではありません。
中には、設置が終わると一切連絡しないというメーカーも存在します。仮にトラブルが発生した際、アフターフォローがしっかりしていなければ、長期間の使用も難しくなります。問い合わせの段階でアフターフォローの内容を確認することが大切です。
喫煙ブースを導入するときに確認したい項目
喫煙ブースを導入する場合、メーカーの選び方だけでなく、他にも押さえておきたいポイントがあります。ここでは3つのポイントを紹介します。
1:導入できる喫煙ブースの排気方法
喫煙ブースの排気方法には「屋内排気」と「屋外排気」の2つがあります。屋外排気はダクトの接続工事が必要となり、設置のハードルが高くなります。一方、屋内排気は工事の必要がないため、設置のハードルが低くなるのです。
喫煙ブースの導入後に後悔しないよう、排気方法については事前に確認しておきましょう。導入について不安がある場合は、メーカーに問い合わせることがおすすめです。
2:導入事例の詳細
導入事例の詳細は、喫煙ブースを導入するまでのリアルな声が掲載されており、非常に重要な情報源となります。設置するまでの期間やかかった費用、導入後の効果などをチェックしておきましょう。
詳細を確認する際、ネガティブな面も正直に書かれている事例は、より信用度が高いと言えます。
3:メンテナンスの重要性
喫煙ブースを長く清潔に使い続けるためには、常日頃からのメンテナンスが欠かせません。メンテナンスを怠ると煙やニオイの吸引力が落ちたり、壁が汚れたりしてしまいます。
喫煙ブースの導入費用はメーカーによって異なりますが、メンテナンスの費用を含めるとある程度まとまった金額が必要になります。優れたコスパで喫煙ブースを長く使うために、メンテナンスの重要性を押さえておくことが重要です。
分煙環境の整備が重要になる理由は?
分煙環境の整備は、企業が今後実施しなければならない項目の一つと言えます。その理由は、喫煙に関する多数の意見・クレームが自治体に届いているためです。
例えば、港区では「公園での喫煙について」「路上喫煙者への注意について」などの項目で、区民からの意見が寄せられています。「環境」の項目の中では約5割が喫煙に関するもので、内容の多くは喫煙マナーに関するものであり、喫煙者に対する不満の声が届いている状態です。
(出典:港区「喫煙所について」/https://www.city.minato.tokyo.jp/kouchou/kuse/kocho/ikenshokai44/2388.html)
また、新宿区に寄せられたパブリックコメントの一例では、区内全域の路上喫煙について「全面的に禁止すべきである」とのコメントも見られます。「喫煙所の整備」という項目に限るとおよそ8割が「必要」と回答しており、喫煙者がいる中で喫煙所を用意していない状態は、好ましくないと言えるのです。
(出典:新宿区「パブリックコメントの結果報告について」/https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000069014.pdf)
そのほか、大阪市のパブリックコメントでは「加熱式たばこも含めて市内全域を禁煙にしてほしい」「公園などさまざまな人が利用する場所は路上喫煙を禁止にすべき」など、禁煙化を望む人が多くいます。
(出典:大阪市「『大阪市路上喫煙の防止に関する条例の改正の方向性について』
にかかるパブリック・コメントへの意見提出状況について
」/https://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000010/10440/47haifusiryou3.pdf
)
上記の例からもわかる通り、喫煙に関する世の中の目は厳しさを増しており、自治体に意見を送るケースも多くなっています。オフィスや飲食店においても、喫煙者・非喫煙者の共存ができるような対策は欠かせないのです。
非喫煙者からすると、タバコのニオイや煙はストレスの原因となり、喫煙者に対する嫌悪感を生むことにつながりかねません。オフィスや飲食店で働く従業員、顧客の健康を考えるのであれば、喫煙ブースなどを利用した分煙環境は必須です。
まとめ
今回は、喫煙ブースのメーカーの選び方や、導入時に押さえておきたい項目などを紹介しました。
メーカーを選ぶ際は、導入実績や提案力といった点を確認することが大切です。自社の状況に適した提案をするメーカーであれば、喫煙ブースの設置を安心して任せられます。
喫煙に対する風当たりが強い現在、分煙環境の整備に関する意見は、東京都港区や新宿区などさまざまな地域で出されています。今後、世の中の流れとして「分煙は当たり前」という時代になる可能性もあり、早めの対策が肝心です。当記事を参考に、喫煙ブースの導入も選択肢に入れておきましょう。
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<この記事の取材・執筆者 N.T>
1993年生まれ、大阪出身。大学卒業後さまざまな職を転々としたのち、2019年よりWebマーケティング会社に転職。Webライターとして活動を続け、2023年5月よりフリーランスに転身。野球やバスケットボールなど、スポーツ全般をこよなく愛する。