改正健康増進法が2020年4月に施行され、分煙環境の整備が必須となった現代。飲食店だけでなく、オフィスでも対策が進んでいるものの、「どういった対策をすればいいのか悩む」というケースは少なくありません。
実際に対策を進めるうえでおすすめなのが、手軽に設置できる喫煙ブースです。ブースを設置するだけで、喫煙者も非喫煙者も快適に過ごせる環境を作り出せます。
そこで今回は、オフィスに喫煙ブースを設置するメリットや、導入時の注意点などを解説します。導入事例も併せて確認し、設置するかどうかの判断に役立ててください。
オフィスに喫煙ブースを設置するメリット4つ
まずは、オフィスに喫煙ブースを設置するメリットについて、以下の4つを解説します。
・従業員のストレス解消につながる
・天候を気にせずに喫煙できる
・業務の生産性向上を期待できる
・企業に対するイメージが向上する
従業員のストレス解消につながる
1つ目のメリットは、従業員のストレス解消につながる点です。
厚生労働省の調査によると、2022年時点での喫煙率は14.8%(男性24.8%、女性6.2%)で、年々減少しています。
(出典:厚生労働省『令和4年「国民健康・栄養調査の結果』/https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42694.html)
とはいえ、喫煙者は一定数存在しており、特に男性に注目すれば、4人に1人が喫煙者であります。また、『令和4年「国民健康・栄養調査の結果』は、あくまでも全国の20歳以上の男女およそ5000人を対象にした生活習慣の調査結果であり、業種・職種等により、喫煙率が大きく異なることもあります。
そのような中で、オフィスが全面禁煙になっているとストレスを感じる人も多く存在する可能性もあります。また、喫煙可能なオフィスの場合でも、タバコのニオイや煙が外に漏れていると、非喫煙者がストレスを感じてしまいます。
そういった場合に喫煙ブースを設置することで、喫煙者は気兼ねなく喫煙できるのです。また、性能の高いものを設置すれば、ニオイや煙が外に漏れる心配もなくなるため、非喫煙者も安心して過ごせます。その結果、従業員同士でのトラブルも防げるでしょう。
天候を気にせずに喫煙できる
喫煙者からすると、天候を気にせずに喫煙できるのも大きなメリットです。
どうしても外でしか喫煙できない場合、夏や冬の時期はストレスを感じやすく、喫煙そのものが億劫に感じられるはずです。しかし、室内に喫煙ブースを設置すれば、どういった天候でもタバコを吸うことができます。
業務の生産性向上を期待できる
喫煙環境を用意することで、業務の生産性向上が期待できます。
通常、勤務時間は8時間程度であります。全面禁煙にすれば、その間、喫煙者に喫煙することを我慢させることになります。ストレスを抱えたまま仕事をすると、パフォーマンスが悪くなる可能性が高まります。そのような状態で仕事をされると、誰にとってもプラスの影響は生まれません。
一方、喫煙によってリフレッシュできれば、業務の生産性が高まり、パフォーマンスも良くなります。
企業に対するイメージが向上する
「分煙に取り組んでいる企業」という印象を与えられれば、企業イメージそのものが向上します。
女性の活躍が望まれている現在、分煙を実施していない企業に対しては「従業員の健康を考えていない」とみなされる可能性があるのです。
今いる従業員はもちろん、将来の従業員の健康を守るためにも、喫煙ブースを導入するメリットは大きいといえます。
オフィスに喫煙ブースを設置するときの注意点とは?
喫煙ブースにはたくさんのメリットがある一方、以下のような注意点もあります。
・費用はオフィスの規模などで異なる
・利用ルールやマナーを社内で周知する
それぞれ確認していきましょう。
費用はオフィスの規模などで異なる
喫煙ブースの費用相場は、設置するオフィスの規模、さらには喫煙ブースのサイズによって異なります。大まかな相場が決まっていないため、導入を考えている際は業者に問い合わせることが先決です。
利用ルールやマナーを社内で周知する
喫煙ブースを意義あるものにするためには、利用ルールやマナーを決める必要があります。ルール違反をする従業員がいれば、口頭で注意するといった対策を取りましょう。
利用方法や利用後の清掃などを事前に決めておき、社内で周知することで、トラブルが発生する確率を下げられます。
オフィスに喫煙ブースを導入する際のチェックポイント
喫煙ブースの導入にあたっては、以下の3点を押さえておきましょう。
・複数の業者を比較検討する
・義務違反の場合には罰則がある
・設置場所を考えておく
複数の業者を比較検討する
導入にあたっては、複数の業者を比較検討するようにしてください。それぞれの業者によって、展開する喫煙ブースのサイズや特徴が異なります。
より良いものを導入し、長く使用するためにも、自社に合う喫煙ブースを導入しましょう。
義務違反の場合には罰則がある
喫煙ブースを設置する場合は、標識の掲示、喫煙禁止場所における喫煙禁止といった義務内容を遵守しなければなりません。仮に違反した場合には、以下のような罰則が課せられます。
(画像引用元:厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙。」https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/point/)
必ず事前に確認することが大切です。
設置場所を考えておく
喫煙ブースをどこに設置するのか、あらかじめ考えておきましょう。
わずかなスペースで設置できる喫煙ブースですが、事前に場所を決めておかなければ、導入時に慌てて場所を決める事態につながりかねません。本来設置する場所ではないところを選ぶと、後で面倒なことが起こる可能性もあります。
よりスムーズに設置できるよう、事前に設置場所を決めておくほうが安心です。
オフィス担当者必見!喫煙ブースの導入事例を紹介
ここまで、喫煙ブースにオフィスを導入するメリットなどを解説しました。とはいえ、どう活用されているのか実例が知りたい方も多いはずです。
そこで今回は、喫煙ブースをオフィスに導入した企業の実例を2つ紹介します。
事例1:雑誌・コミックスの出版を手がけるS社
はじめに紹介するのは、雑誌・コミックスの出版を手がけるS社の事例です。
S社は新社屋への移転が決まり、喫煙所の用意を検討する中、喫煙ブースの存在を知りました。導入を検討する時点では、ニオイや煙が外に漏れないのか、心配した部分もあったといいます。
しかし、実際に導入した結果は大満足とのこと。「喫煙者と非喫煙者が同じ環境にいても、安心して過ごせるようになった」と語っていました。
より詳しい内容は、以下よりご覧ください。
【導入事例】社内はもちろん、来客の方のことを考えても、喫煙ブースは欠かせないものです
事例2:インフラをさまざまなサービスで支える産業用電気機器製造業T社
続いては、産業用電気機器製造業のT社の例です。
事務所移転前は屋外に喫煙スペースが用意されていたものの、雨の日や暑い日のストレスが大きかったと話すT社。移転をきっかけに、喫煙ブースの導入を決断します。
移転先の事務所の周辺に喫煙環境がなく、喫煙ブースが拠り所だった中、従業員からは好評の声が上がったといいます。また、外で喫煙すると周りの目が気になる一方、社内であれば周囲を気にする必要がない点も、喫煙ブースの良さと話していました。
こちらのより詳しい内容は、以下よりご覧ください。
【導入事例】髪にニオイがつかないというのは、女性にとってはうれしいですね。
まとめ
今回は、オフィスに喫煙ブースを設置するメリットや、導入時の注意点などを解説しました。
喫煙ブースを導入するメリットは数多くあり、分煙環境を用意する観点でも、設置をおすすめします。とはいえ、注意点やチェックするべき部分もあるため、事前の把握が欠かせません。
また、当記事ではオフィスに喫煙ブースを導入された企業様の事例も紹介しました。導入を検討する場合は参考にして、必要に応じて問い合わせをしてみてください。
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<この記事の取材・執筆者 N.T>
1993年生まれ、大阪出身。大学卒業後さまざまな職を転々としたのち、2019年よりWebマーケティング会社に転職。Webライターとして活動を続け、2023年5月よりフリーランスに転身。野球やバスケットボールなど、スポーツ全般をこよなく愛する。